「新築と同じ予算で、新築では買えないエリア(価値が落ちにくいエリア)に住宅を購入したい」
エリアを重視して中古住宅を検討する人に向けての記事です。
私の場合、はじめは予算内で近所の建売住宅(新築)を見るところから始めた家探しでしたが、関連書籍を130冊ほど読み、講習を受けるなどして予習するうちに、中古住宅が持つ「価格に対する価値(割安感)」「査定額の下落リスクの低さ(資産価値の維持)」は、将来(老後)の自由度を増やすという思いを強くしました。
資産価値を保ちやすい立地は人気の街とは限らず、地道に探せば人気化していないエリアの中から比較的地価が下がりにくく、かつ割安なエリアは出てきます。
資産価値を保ちやすいエリアと立地を選ぶポイントをまとめます。
この記事の内容
よい物件とは
この記事では
よい物件とは「良い立地にある割安な中古物件」
よい立地とは「資産価値が落ちない/落ちにくいエリアにある災害に強い土地」
としています。
人口減少によって不動産は供給過多になりつつあり、地価が上がっていくエリアと下がるエリアの格差や、自治体の税収による地域間、路線間格差は開いていくと言われています。
全国一律で地価が右肩上がりだった親世代とは比較にならないほど、エリアと立地の選択眼が問われています。
この記事は、地価下落の続く東京郊外で中古住宅を購入した経験から、「資産価値が落ちにくいエリア、立地」を選定する方法についてまとめたものです。
大都市へのアクセス
路線
重要なのは、その路線の先に有力な都市(駅)が連なっているか。
終点駅や通過駅の規模が大きければ大きいほど、その路線は有力な路線と言えます。
駅から歩けること
人口は減っていき、都心に住む人が増えるほど、郊外から人は減っていきます。
郊外の、駅から歩けない「駅バス物件」に、数十年ローンを組むのはリスクが高い。
これは何冊読んでも、著者を変えても、主張は変わらないため、実際にうちのエリアの近所で調べてみました。
東京駅から30-40分に位置する郊外の駅を起点にして、58箇所の過去10年の路線価推移を調べたところ
駅からバス10分ー20分 平均ー35%。
駅から徒歩15分圏内 平均ー8%
利便性は見事に地価に反映していました。(それでも平均で8%も落ちています。首都一極集中がはっきり分かります)
アクセスの悪い立地は、希望条件から外す
この時点で候補から外した条件は
駅バス物件
駅徒歩15分以上の家
今現実に駅まで歩けるとか、車があるとか、運動になるという個人の価値観の問題ではなく、
いまより少子高齢化社会が進行したときに、住みたい人がいるのか?
新しい(若い)住人が新たに入って来るか?住みたいと思うか?
そこが不透明な立地は、希望エリアから外しました。
人口推移
自治体のウェブサイト「町丁目別人口」で、この10年の人口推移を調べました。
理想は人口が「微増」状態なことです。
学区の児童生徒数推移なども調べました。
私たちが検討した郊外の人口は、緩やかに減少し続けていました。増加しているのは、主要駅の徒歩圏と、駅前のマンションが並び立つエリアばかり。郊外の片隅からも、首都一極集中という言葉を肌で感じました。
賃貸物件は適度にあるほうがいい
持ち家率の高い場所は、人口が減り続けると街としての成長が止まってしまうので、人の出入りはあるほうが街としては栄えます。
地盤・ハザードマップ・古地図
地形に関しては、この本が最も役立ちました。
住宅探しに役立つ国土地理院サイトの使い方などが載っています。
この本に出ているとおりに検討中のエリアを詳細に調べたところ、一見高台に見えた土地が実は一部盛り土だったというケースもあったので、立地は見た目だけでは判断できないことも学べます。
確認必須な地図リスト
・ハザードマップ・震度マップ・土砂災害マップ
・水害マップ(150年に1回程度の河川の氾濫を想定)
・内水ハザードマップ(近年急増するゲリラ豪雨による浸水の想定)
・液状化マップ(埋立地ではなくても、液状化しやすい場所は点在する)
・ゆれやすさ全国マップ
・推定断層・ボーリングデータ
・古地図 昔の地名
検討するエリアで、これらをひととおり調べます。
坂道を登りきって、平地が広がっている場所が理想です。
学区レベル
進学校、質の高い学校のエリアにある不動産の価値は落ち難い。
これは自宅マンション投資を説く沖有人氏の言葉ですが、これを一戸建ての土地に当てはめて希望エリア(東京郊外)の地価推移を実際に調べたところ、レベルが高いと言われている学校(おもに県内有数と言われる公立高校、私立中学進学率の高い小学校)の周辺は、本当に地価が高止まりしていました。
「マンションは学区で選びなさい」はマンションの資産価値について書かれていますが、一戸建ての立地を考える際にも参考になります。
子どもがいる・いないに関わらず、その土地の資産性を調べる点で、学校を調べることは重要な視点だと思います。
資産価値を保つ立地とは
一言でまとめると「主要都市に直結している路線駅から徒歩圏内の高台を探す」ということになります。
その条件に加え、国土交通省の地価マップから「同じ条件の複数エリアの中から、比較的地価上昇率が高い、あるいは下落率が低い立地」という条件を加え、過去10年の地価下落が周辺地域より緩やかなエリアを手探りで根気よく絞っていくと、住環境が良好で、空き家率が低く保たれていながら、人気化していない地域が出てきます。
参考になった本
「資産価値が落ちにくいエリア、立地」の条件でした。