着るもので自己表現したいわけじゃない。ただ、周りに溶け込みたいだけ。
ずっとそう思ってきた私にとって「ミニマリスト」という価値観が普及したことで、とても生きやすくなりました。
服はなるべくシステマチックに構成して、かといって、人の目を引いたりしたくない。「みっともなくない」ようにしたい。つまり、単に「環境に溶け込みたい」だけなんです。
この記事は、無駄のない服の構成をずっと考えてきた私が、コーディネーターの意見も取りいれた、ミニマリストの「服のルール」をまとめます。
このルールは、服に対して以下のような目的を持った人に向いています。
服を着る目的は「おしゃれ」ではなく、最小限の労力で人に適切な印象を与えること
服は日常生活に必要最低限の数でいい。服選びを楽にして、かつ衣料費を必要最低限にしたい
どの服を合わせても、どの服とも合う状態が理想
このルールに基づいて、無駄のないアイテム選びを見ていきます。
この記事の内容
服の基本はボトムス
服選びを楽にする大きなポイントは
- どんなボトム(スカートやパンツ)をはいているか、自分が思うほど他人は注意深く見ていない
- ひざ下はワントーンが基本
です。
ひとの目線がスルーする条件は
- シンプルでベーシックな形
- 無彩色(黒、ベージュ、紺、グレー)
- 無地(柄物ではない)
のボトムスであることです。
柄物のスカートやパンツでは、それ自体が「ひとつのアイテム」と認識されてしまい、一度でも着用すれば特定の「あの服」という印象をに作ってしまいます。
ベーシックな形、無彩色で無地のスカートやパンツなら、人の印象に残らず、毎日交互にはいても同じ服を着ている印象にはなりません。
必要最低限な数のシンプルなボトムを揃えることが、ワードローブの基本になります。
そしてひざ下はワントーンが基本というルールから、ボトムの色と靴の色を合わせ、腰から下は同じ色でまとめるルールなら、考えるべきは腰から上の組み合わせのみになり、服について頭を使う必要が大幅に減ります。
また、シンプルなボトムであっても、人は全く見てないわけではありません。
デザインを見ているわけではなく、後ろ姿に不自然なシワが寄っていないかどうかと、下着が出ていないかだけです。
自分で思っているほど、人は他人のファッションに注意を払っていません。腰から下の印象は、その程度だということです。
自分が最もスタイルよく見えるボトムスの形を考える
おしゃれではなく、人に与える印象として、自分に最も合うボトムスの形を試着しながら検討することは、最小限のワードローブを考える際には無駄にならない時間です。
試着の際には色を先に決めて行き、形に注意を払うことに集中します。
そして、シンプルでベーシックな形の中からいくつか選んで試着し、自分に最も馴染む形のボトムスを選びます。
頑丈なものを選ぶ
費用対効果を考えると、素材の良さは大切な要素です。
そして同時に、経済的な効率に配慮すると、すべて洗濯機で洗えることが基準です。
綿100%かポリ100%など「頑丈な素材」を選びます。
頑丈であることは、価格には比例しません。高価なものの中には、繊細に作られていてすぐに痛んでしまう服がある一方、安価であっても頑丈で長持ちする服はあります。
縫製にほつれがないかも、重要なチェックポイントです。
白シャツ・ブラウス
白シャツは洗濯する頻度が高いので、消耗品として2.3年で買い替えます。
高いものを買う必要はないと思いますが、数回の洗濯で劣化しないしっかりしたものを選びます。
顔に近いものは、肌映りのいい明るい色を選んでいます。
おしゃれな人の中には、定番過ぎる白シャツをあえて避ける人もいるようですが、服を着る目的がおしゃれをすることではないなら、白シャツは間違いがないので服選びをラクにしてくれます。
素材はダブルガーゼか麻なら、アイロンをかける必要がない
ズボラの極みのようなこだわりですが、その服を着倒して捨てるまでのアイロンかけにかかる総時間を考えると、アイロンの必要な服を選ぶ理由がないと思い、アイロンの必要な素材は避けています。
綿ブロード素材など、洗いざらしのハリ感のある白シャツは大人には難しいと感じます。若さを強調するようで、年齢とのギャップを感じさせます。
夏のイメージが強い麻シャツですが、1年じゅう着用しても問題ないと感じます。ウールやコットンニットの内側に着れば、それだけで夏っぽくはならず、インナーとして1年じゅう着ることができます。
白いブラウスとインディゴブルーの組み合わせは、誰が着ても若い印象になります。
カーディガン
ごく普通のシンプルな形で、良い素材を選びます。
素材が良い=値段が高いということではありません。
イギリス製の上質なニットカーディガンを持っていたことがありましたが、便利だったので毎日のように着ていたら、2年で寿命でした。
ユニクロや無印のカーディガンも同じ条件で着用すれば、寿命は同じく2年です。
同じように着ていて寿命が変わらないなら、安い方を選びます。
(2年で捨てるものにお金をかけるなら、私は差額をS&Pなどに投資したいです)
半袖よりフレンチスリーブ
コーディネーターの知人によると、エレガントに見えるのは長袖かノースリーブとのことです。
二の腕の太いところで切れる半袖は、スマートではないとか。
Tシャツや半そでのワイシャツなど袖がただ横に切れているデザインは、効率化のために出てきたイレギュラーなものだから、カジュアルな場所に着ていくものだとも。
効率化は好きですが、ファッションのプロから見た「きちんと感」も一応頭の片隅に入れて服選びをしています。
二の腕が隠れる袖のものを選ぶときは、フレンチスリーブか7部袖を選ぶようにしています。
またTシャツはカジュアルなものという意識で、毎年1枚だけ買います。
どこにでも着ていける服ではないなら、1枚で充分という認識です。
コート
コートは商品の豊富な10月中旬までに買います。
重衣料(真冬のコートなど)は手に入る季節が限られるので、お買い得を狙っていると、良いものは売り切れてしまっていることが多いです。
ダウンジャケットは暖かいですが、ずんぐりむっくりになりやすいので注意します。
ノーカラーコート・シングルコート
飾りボタンのついていない、ウエストや裾を極端に絞っていないシンプルな台形のものを選ぶと長く着られます。
ひざ下を長く見せるものとして、着丈はひざ丈~ひざ上5cmまでが最適な長さです。
ストール・スカーフ
差し色になる色を選んでいます。
最小限のかずで服を揃えると、無彩色が多めになるので、ストールやスカーフ、マフラーでは好きな色を自由に選ぶと、全体の調和が取れます。
冠婚葬祭
ネイビーと黒のワンピースで、襟は無い方が時代や流行に左右されないので無難です。
襟の形と襟口の開き加減は、その時代のトレンドが反映される部分です。
シャネルタイプのツイードのスーツに化繊のカットソーは晴れ着として失敗しない組み合わせです。
無駄のないワードローブリスト
基本はボトムス
シンプルなデザインで、無地、無彩色(黒、グレー、ベージュ、紺)
洗濯機で洗えること
ボトムスと靴は同系色で揃え、無彩色にする
白シャツ・カーディガン・フレンチスリーブ
アイロンの必要のない素材にする
シャツはダブルガーゼか麻なら、アイロンの必要がない
カーディガンは良い素材を選ぶ
夏ものはフレンチスリーブ中心
この服リストの中から、着倒したら同じ形の新しいものを補充します。
ミニマリストの最小限の着回し「アイテム別」ポイントでした。